2011年6月22日水曜日

Making of Itadaki Jiu-Jitsu Ep.7 27th Jan. 2011

今日はボルダラーの加藤さんにアカデミーの壁を仕上げに来てもらいました。"壁の仕上げ"と言っても塗装や壁紙貼ったりするのではなく、写真にあるような"ホールド"と呼ばれる岩角を模したポリエステル片をあらかじめ壁の裏側に埋め込んであるボルトに取り付け、いわゆるボルダリングを出来るようにするための作業です。アカデミーの壁の高さは3メートル弱。垂直に"登る"には少し物足りない高さですが、横移動を交えたルートならば歯ごたえのなるものを作るのには十分な高さです。
ここ数年、柔術に起因した薬指の故障が多く、これを改善するためにも薬指以外の指を鍛える必要を感じていました。また柔術に役立ちながらも柔術とは全く違ったスポーツを行うことで、体に新鮮な刺激を与えることも良いことではないかと考えていたのですが、それら様々な要求を満たすことのできるものとしてボルダリング、と言うスポーツにたどり着いたわけです。加藤さんは生活の全てをボルダリングに注ぎ込んでいる方で、この翌月には「未踏のルートが多く残っている」松山に移住される、とのことでした。限られたスペースにより意義の有るルートを多く作るのは僕のような素人にはとても無理な作業です。そこで加藤さんルートのセッティングをお願いした、と言う次第でした。

ホールドの形状を数百も有るホールドから吟味して、思い浮かべたルート、そしてその課題にふさわしいホールドを選び出し壁に取り付けてゆきます。幅5メートル強、高さ3メートル弱の壁に、難易度別に4段階、計14本のルートをセッティングするために2日がかりの作業になりました。
出来上がったルートをシューズも履かずに試登する加藤さんの姿を観ていると、人間と言う生き物が持っている潜在的な可能性というものについて気持ちを新たにさせられるものがありました。とても同じ人間が登っているようには見えません。まるで"壁"がその生活のメインエリアである生き物のように自在に壁を這い回る加藤さんですが、宙に浮かんでいるわけでも手足が伸びるわけでもなく、届くからには届くに足る理由があり、剥がされない理由があり、当たり前のことなんですが、出来ないことをやらないだけなんですよね。
ちなみに2011年から木曜はノーギの日。
ギがあると"届く"ように感じて怠けてしまうところもノーギではごまかしが効きません。ノーギも柔術の大事な一部です。みなさん、ガンガン参加してください!

0 件のコメント:

コメントを投稿