2010年9月20日月曜日

Making of Itadaki Jiu-Jitsu Ep.3 July 21th

発注していた材料が着荷するまで頭の中でなんどか作業手順をシミュレーション。業者さんの出荷日程の都合で一番最初に到着したのはもっとも最後に張ることになるキャンパスでした。
キャンパスは無難にターポリン。幕体などでも広く使われている一般的な材料です。トイカツ道場のオーナーであるトイカツこと戸井田克也さんが付き合いのある業者さんと話をしてくれたので、僕は希望の色とサイズを決めるのみ。
道場の壁の色は白またはクリーム色でマットスペースの色はブラジルカラーの黄色x緑か紺色で行こうとかねてから考えていたのですが、キャンパスを張る場合、ツートンはちょっと現実的じゃないですね。
そこで僕が勝手に「マチャド・ブルー」と名づけている紺色で行くことにしました。アメリカの柔術道場はこの色が多いような気がします。僕の師匠、ジョンのアカデミーはキャンパスなしのマットのみで、赤x青のツートン。ここはジョンの友人のリマさんのテコンドーアカデミーもかねているので立ち技がやり易いように堅めのマットです。ジョンの兄弟ジャン・ジャックやヒーガンのアカデミーは発泡ゴムマットの上に紺色のターポリンを張ってあり、僕の中では白い壁と紺色のターポリンというのがアメリカの柔術アカデミーの原体験であり象徴でした。
ちなみにリオのゴルドーのアカデミーはキャンパスなしの緑のジョイントマット。厚さ4センチ程度のマットでしたが汗と熱帯の気候で程よくこなれた、そして僕が長年過ごした
慧舟會東京本部と良く似た感触のものでした。
ブラジルカラーに髪を惹かれる思いもありましたが、マットの性能と衛生面を考えるとキャンパスは必須という結論に至っていたので色に関しては写真のマチャド・ブルーに決定した次第です。

2010年9月18日土曜日

Making of Itadaki Jiu-Jitsu Ep.2 July 12th

安くシャワーを設置できそうな業者さんが決まったので、そちらは内見してもらう予約を入れてから自分は単身愛知へ。
なんで愛知かって言うと愛知は自動車産業のおかげで鉄鋼その他自動車関連産業が密集・発達しているんですね。
で、ブラジリアン柔術の道場がどのように自動車産業と関わってくるかと言うと、それはズバリ、日系ブラジル人の方たちが日本の自動車関連製造業を支えているから!ではなくて、僕が頂に使おうと思っているマットは格闘器用に一般に売られているジョイントマットではなく、家具や自動車などのクッションに使われている素材も視野に入れて探していたからなんです。

そこでネットである程度のあたりをつけてバイクにまたがり一路東名を名古屋方面に向かいます。
ところがあいにく天気は雨。とくに御殿場周辺は濃霧と暴風雨で完全にエクストリーム体験状態。
前方視界が50mちょっとある程度(この写真は帰りに撮った物です。往路はさすがに写真どころではありませんでした。)。減速したい恐怖と減速したら後ろから突っ込まれる恐怖の板ばさみで必死に目を凝らしながら、少々覚悟を決めつつひた走ります。御殿場は東名が富士山の西側を通っているので海からちょっと湿った風が吹き込むとすぐにヤバイ状態になりますね。三ヶ日で高速をおり、今度は下道を渥美半島方面へ進みます。
ようやく無事に目的地の牛舎に到着です。あ、牛舎じゃマットは売ってないですね。
これは下道を走っていたら僕の大好きな堆肥のにおいが漂ってきたので思わず鼻をスンカスンカしながらにおいの発生源を捜したところたどり着いた牛舎です。
7月上旬はまだまだ宮崎で発生した口蹄疫の影響で日本中の畜産家の方たちは非常に神経質になっており、 「外からなら良いよ。」と言われて牛舎の外側から写真を数枚撮らせてもらいました。
で、こちらが本当の目的地、豊橋にあるウレタン屋さん、ストライダー社です。
こちらで僕のアイディアを伝えつつ、材料の性質などに関してレクチャーを受けつついろんな素材を触ってみました。
当初はアメリカでリングを作ったときに利用した非連続発泡ウレタンのような素材を探すつもりでいました。ですが、寝技、投げ技という性質の多少異なる攻防で長い目で見たときに負傷、故障を回避するにはもう少しやわらかく、変形時のストロークが速くて大きい素材複合的にを用いるべきでは?というアイディアが僕の中にはありました。
実際にいろんな素材に触ったり、寝転んだりしてみると表面に固めのキャンパス、真ん中に厚手の柔らかい素材、そして底に薄手の高密度の素材を組み合わせるのがベストだな、と確信しました。
今まで僕が訪れたことのあるどのジムやアカデミーでも、たいていはEVAなどのジョイントマットや発泡ゴムなどに直接キャンパスを張ったり張らなかったり、というのが一般的で、その意味でこの時僕自身、ターポリン+チップウレタン+EVAという発想はちょっとした冒険でした。素材を複合して用いればその分コストも跳ね上がりますし…。
ただ、ここ数年自分自身の故障とその原因、まわりの選手の故障とその原因を考えれば、アカデミーで最も気を使うべき設備は当たり前ですがマットなのは明白なので、その場で仮発注を入れ、やはり御殿場で濃霧に苦しみながら帰宅しました。

2010年9月15日水曜日

アジアチコ

先日行われたアジアチコ、頂勢が次々と姿を消すなか、昨年のアジア女王、佐藤瑞穂一人が気を吐きアダルト紫レーヴィー級で優勝しました。
僕の記憶に間違いが無ければこれで瑞穂はアジアチコのこのカテゴリーを二連覇。昨年は青帯を巻いて、紫・青混合のトーナメントで優勝、今年は紫を巻いて紫のトーナメントを優勝。お見事です。

2010年9月10日金曜日

Making of Itadaki Jiu-Jitsu Ep.1 July 5th

7月上旬に加州から帰国した翌日、日暮里に手ごろな物件があると紹介され、とんとん拍子に物件の契約までこぎつけました。
日暮里駅から徒歩6分、鶯谷からは徒歩8分。徒歩3分圏内にコンビニ、銭湯、コインランドリー、スーパーマーケット、病院&接骨院、公園、噴水、駄菓子屋まである至れり尽くせりの好立地。
物件そのものの広さも文句無く、これほど条件の良い物件もなかなかめぐり合えないだろうと思い、ほとんど即決状態でした。
ただ、角部屋のためにすんなりとした長方形ではなく、一箇所として直角に交わる壁の無い五角形の敷地。


チョークと巻尺を持ち込んでおおよその寸法を取りながら、アカデミーのイメージを膨らませて行きます。
全てをマットスペースにしてしまえば広々とするし簡単なのですが、とことん練習!って考えると逆にシャワーがあったほうが良いですよね?特に若い学生の方なんかは練習→そのままアルバイト、みたいな生活サイクルもアリなので。実際僕が20代前半の頃の夏休みなんて、朝8時からドカタor荷揚げのバイト>昼寝>練習>1時から4時まで撞球屋でうたた寝しながら店番と言う今となっては考えられないようなスケジュールで生活していましたし。
と言うことで、トイレのブースの横のスペースにシャワー&更衣室、その並びに洗濯機、冷蔵庫、事務スペースを作る事に決定。一番融通が利かないであろう水周りをまず最初に固めてから次にマットを作成する方向で進めてゆくことにしました。
つづく

9月11日、12日はアジアチコです。

9月11日、12日は綾瀬の東京武道館でアジアチコが開催されます。
頂柔術からも黒、紫、青と幅広いカテゴリーへの参戦があります。
このため9月11日、12日の二日間は頂柔術は休館とさせていただきますのでご了承ください。